Alexと僕:初めてのイタリア… 🇮🇹 [全文]

やぁ,

元気かい?僕は今まさに飛行機の中にいる。ファッションの世界的中心地であるミラノを出発するんだ。僕らのフライトは土曜日の朝7時。ミラノではLinecheckという音楽コンフェレンスに参加して、業界の人たちと繋がる重要な機会を過ごしたあと、毎朝3時か4時に滞在先に戻ってくるような数日間だった。もちろん、Alexの体調を考慮して、そんなスケジュールで過ごしたのは僕だけさ。
だから、先週はあまり寝ていないんだけど、僕らは最高の気分だよ。8月にツアーを終えて戻って来てから、一番素晴らしい1週間だったと思う。今さっきAlexとこのクラブの今年度のテーマ Brighter As We Rise Up Again(再び立ち上がるとき輝きは増す)に乾杯したんだ。ほんの一口だから心配しないで。この言葉を書いている今は素面だよ。だいぶ疲れを感じているけどね…自分が夢を見ているのか、夢遊病状態なのか、完全に目覚めていて意識があるのか分からない…! 🙂

僕は今、この言葉を書きながらLudovico Einaudiが手掛けた『ノマドランド』のサウンドトラックを聴いている。いつだって、とてもインスパイアされるんだ。特にたくさん君たちとシェアしたいことがある時にはね!

僕は今年の初めに(もう終わろうとしているけど)Alexが考えたこの素晴らしいテーマに乾杯しようと決めた…2022年は、これまでで最悪の1年であり、最高の1年だったんだ。良い知らせと悪い知らせのジェットコースターで、様々な感情がごちゃ混ぜになって爆発し、新しい年が始まった時に思い描いていた方向へと航海し続けるために自分の力量以上を出して戦わないといけない年だった。
それについて詳しく話す必要はないと思う。特にAlexが最近受けた人生のカーブボールについて知っていると思うし。この知らせは9月に2週間かけて、この先18ヶ月の新作リリースやツアーについて計画した直後に受け取ったんだ。今ではそれも少し不安定になった。残念ながら…というか、悲惨にもね。まるで、世界に唯一残っているスコッチウイスキーを持って来た郵便局員がインターフォンを鳴らそうとした時に、そのボトルを玄関先で落として全て割れてしまったかのような…20年ほどずっと待っていたボトルを…!

今年の1月から僕らはずっと悩ましい、厄介な波を航海して来た。だから、初めてのイタリアの旅を思い出に残る素晴らしいものにしたかったんだ。火曜日に街の古いアーティスティックな地区に足を踏み入れたから、僕らはルネッサンスのエキシビジョンに立ち寄ることにした。当時の暗い時代から少しずつ抜け出そうとしていた時期に、明るい未来を思い描けるように人々をインスパイアしたアーティストたちを曝け出したものだ。それを見て”これだ”って思った。”これこそ僕らが見て、感じて、刺激を受けるべきものだ。だって僕らも自分たちの長い旅路における新しい章を書き始めようとしているのだから!”

今、僕らがルネッサンスと呼んでいるアイディアは、人が全ての基準であるという考えを周りにインスパイアするものだった!この新しい考えが、アート、建築、政治、科学、文学を通してはっきりと示されている。それはイタリアから始まったんだ。正確にはミラノではないけれど、すごく衝撃を受けて、何百年も生き続ける偉大さ、才能、考え、感情に囲まれながら、自分がものすごく小さく感じたよ。僕のアートの歴史は、エレキギターが始まった時からだからさ…!それ以前は知らないんだ!

ルネッサンスによるエピファニー(悟り)の瞬間を経験したあとの1週間は、たくさんの人たちに出会った豊かで刺激に溢れたものだった。でも、いつだって光が闇に出会い、再び光に出会うというような僕らの旅路さ。ミラノは僕らにとって、そういう場所として記憶に残るだろう。船が進むためだけでなく、その方向性や確実性のために希望的でとてもパワフルな風の種を蒔いた場所として。僕らは深く尊敬し、称賛する2人のアーティストと会って、話をする機会にも恵まれた。その2つのミーティングは共に4時間くらい続いたよ。アーティストが集まるといつもそうだ。会話は、お互いがどんなことを感じているか、そして、どうやったらお互いを助け合えるか、より良い明日のために共に戦おうという本気の招待へとシフトしていった。これらの瞬間がAlexの心と魂にどれだけ深く響いているかを感じて、見ることができたよ。きっと一生忘れないものだ。
今回は、こういう考えや瞬間について君たちとシェアしたかったんだ。だって、全く準備ができていない時や、全然、予想していない時に、人生は突如としてカーブボールを投げるのが上手いからさ…それについては、君たちの数名から驚くべき話を受け取ったよ…嵐ってのは止むことはないのかなって感じる時がある。冬はいつだってやってくるし、僕らが個人的に経験する暗闇は、いつだってそれが常に近くにいることを思い出させ、僕らが成長するにつれて、賢くなっているはずの時、またはより強く、より良い人間になっているはずの時に、何故かその暗闇もよりパワフルになっている気がする…

再び立ち上がるとき輝きは増すという言葉は、11ヶ月前に初めて聞いたときにも、ある種の理解をしたと思った。けれど今、改めてこの言葉を読むと、よりリアルで、よりパワフルで、より激しく心に響く気がする。僕にとってはそうだし、きっとみんなにとってもそうじゃないかな。美術館を訪れたあと、Alexと僕は初めての本物のイタリアンカフェに行き、ルネッサンスが暗黒時代と交わった時代について忘れられない会話をしたんだ。それは知識的でも、哲学的でも、歴史的なレベルの会話ではなくて、最もシンプルで、最も深くて、個人的で、唯一本当に大切なもの、本当に必要としている会話だった。僕らはみんなで一緒に乗り越え、より明るく、より強く、より良くなって抜け出すよ。

たったクリック一つで、僕らはたくさんの知識にアクセスできる。僕らはこれまで存在したことのない唯一の時代を生きている。でも、孤独と鬱こそ、本物の疫病であり、本物のウイルスであり、病なんだ。それは僕らの終わりなき可能性とチャンスをぶち壊すかもしれない。そうさせないようにしよう…!話しをしよう!僕にとっては、本物の会話こそ、全ての物事や可能性の基盤であり、暗黒時代の終わりを招き、個人的なルネッサンスへと導くものだから…!

今から少し休むよ!明日はパリへ飛んで、たくさんのマジックとワンダーを君たちに向けて発送するんだ…!僕らはとっても感謝している!

またすぐに会おう!イタリアも含めてね! 🙂

君のガイドであり友人,
Jeff